MILES DAVIS / LIVE NDUGU EVIL : CONCERT IN PARIS 1971 FIRST DAY : 2024 UPGRADE VERSION (プレス2CD)
2024年「So What!」レーベル責任監修によるレア・シリーズから、1971年10月23日フランス、パリでのショーを、最新マスタリングも施したベスト・クオリティーで収録し、最終決定盤として永久保存プレス盤にて。
まず故中山康樹氏を含め全てのマイルス愛好家から絶大の信頼を受け、数々の名盤を生み出した伝説のレーベル「ソー・ホワット」の完全監修を受けて、2020年末より限定リリースされている本シリーズは、内容クオリティーの素晴らしさはもちろん、丁寧なリマスタリングに加えてこだわりの帯付アートワーク、美麗なピクチャー・ディスクのプレス盤ということで、海外ファンの間でもすでに大きな話題を呼ぶことに。
そして今回は1971年ユーロ・ツアーでのパリ公演で、同会場にて10月23日と27日の2日間公演が行われた中、こちら23日の初日の方で当日の模様を、当時としては驚異的クオリティーのオーディエンス・マスター音源を元に再構築しており、今回も同レーベルならではのプロユース器材を用いたマスタリング処理が秀逸。
なお1971年のマイルス・バンドと言えばキース・ジャレットのエレピ&オルガン、そしてこの年の10月と11月の2か月間のみ在籍していた、バンド史上最もアグレッシヴなファンクを刻むドラマー、レオン・チャンクラーが在籍していたという強靭な時期で、因みにオフィシャル「ライヴ・イヴル」や、その元となったセッションを集めたボックス「セラー・ドア・セッションズ」には、似たセットリストが収録されているも、あちらのドラムはジャック・デジョネットで、同じ曲でもジャズ・ロックなデジョネットと、ファンクなアプローチのチャンクラーでだいぶ違ったものになっているのは要チェック。
そしてこの1971年ツアーは、ライヴとスタジオ音源を混在させた『ライヴ・イヴル』のライヴ・パートに使われた1970年の時とほぼ同じセットリストとなっており、それでも前年と大きく違うのは「WHAT I SAY」の序盤にスロー・パートが設けられていて、これがなかなか効果的。
オープニング「DIRECTIONS」から「WHAT I SAY」へリズムがじれたまま進んでいき、この後マイルスが一吹してからようやくいつもの「WHAT I SAY」のリフが始まる流れとなっており、その後キースのエレピ・ソロかテーマを経てゲイリー・バーツのソロ、リズム・ブレイクして再びキースのエレピ、徐々に絡むヘンダーソンのベースと、このあたりのじれた展開はこの1971年ならでは。
以上、今回も「So What!」レーベルが精魂込めて作り上げた本タイトルは完全限定プレス盤、日本語帯付仕様ゆえご希望の方はお早目に。
DISC 1 : 1. DIRECTIONS 2. WHAT I SAY Part I 3. WHAT I SAY Part II 4. SANCTUARY 5. IT’S ABOUT THAT TIME 6. YESTERNOW
DISC 2 : 1. BITCHES BREW 2. HONKY TONK 3. FUNKY TONK 4. SANCTUARY
[Recorded at Theatre Nationale Populaire, Paris, France, October 23th 1971 / Original Remastered by VDD 2024]
◇Miles Davis – trumpet / Gary Bartz – soprano saxophone, alto saxophone / Keith Jarrett – electric piano, organ / Michael Henderson – electric bass / Leon “Ndugu” Chancler – drums / Charles Don Alias – conga, percussion / James “Mtume” Forman – conga, percussion